しがない材料学徒。

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誰も留年しないやさしい世界へ

実験レポートRTAのススメ

こんにちは。haruki / おるざと と申します。

大学生の皆さん,実験をやっていますでしょうか???実験の授業は単位の割に割かなくちゃいけない時間が見合わず,その癖に必修になっているクソ科目として悪名高いですが,時間がかかる主な原因は実験レポートを作成しなければならないことだと思います。

そこで,できるだけ時間をかけずに,そして楽しく実験レポートをできる方法である実験レポートRTAなるものをご紹介したいと思います。「タイム短縮のコツ」のところでレポートを書く際の小ワザなども掲載しているので,読んでる途中で誰がこんなバカなことやるかボケが,と思った方もぜひ最後まで見てみてください。

RTAって?

RTAとは,Real Time Attackの略称のことです。Real Timeは実時間,そしてTime Attackは時間を攻めるということなので,つまり「誰が一番はやくできるかみんなで競おうね」ということです。つまり,実験レポートRTAにおいては,同じ題目の実験レポートを書き上げた世界の誰よりも早く実験レポートを書き上げることが目標となります。

流れ

実験レポートRTAがどのようなものかわかったところで,実際にどのように行えばよいのかを時系列の流れに沿ってみていきましょう。

実験開始~実験終了

実験中はまじめに取り組みましょう。なにか操作をするときはそれの意味をよく考えたり,TAさんからなにか問われたら真剣に考察してみたりすることが大事です。どうせだらだらやってもすぐ帰れるわけでもないし,適当にやってるとあんまり記憶に残らず後で思い返すのがたいへんです。ここでキッチリやっておくと後々がかなり楽になります。

また,実験中はTAさんに何でも聞けるすごい時間です。TAさんは僕らよりいくつも先輩で,大体やさしく接してくれるし,いろんなことを知っています。実験のテキストに載ってることでわからないところや,学校生活(研究室のこととか)を聞いてみましょう。いろいろためになる情報を教えて下さると思います。

実験終了直後

終了直後は図書館に行って参考文献を借りてくるのがよいでしょう(学科によってはいらないのかな?)この時,ある程度知りたいことに目星をつけておくことが重要です。背景などは大体どの本の最初の方でもかけるので,むしろ考察の裏付けとなる部分の補強に使う参考文献を探すのに注力したほうがよく,重要なキーワードをすでに知っている場合は後ろの索引で該当ページを調べ,ほしい情報がのっているかをその場で確認するとなおよしです(大した情報ものっていない本を持って帰ったりまた持ってきたりするのはけっこうつらいです)。

実験終了直後~実験レポート提出2日前

入念に下準備をしたところで,いったん実験についてはわすれてしまって結構です。実験が終わって気の知れた友だちとご飯を食べに行くもよし,おうちに帰ってゆっくり休むもよしです。しばらく実験をしなくてよいという優越感に思う存分浸りましょう。

実験レポート提出2日前~実験レポート提出1日前

いっぱい寝ましょう。次の日は結構な体力を使うことになります。しっかりとした準備がよいレポートを生みます。また,ある程度の書き上げる時間を見積もっておきましょう(僕は9,12,15...など,3時間単位でざっくり概算しています)。

実験レポート提出1日前~見積もった時間を基に提出締め切りから逆算した時間

ここまでは普通に過ごしていて大丈夫です。学校などで友だちに会った際は実験レポートRTAを敢行する旨をそれとなく伝えてみましょう。「がんばってね」「応援してるぞ」などのやさしい言葉をかけてくれる人もいれば,「愚か者が」「間に合わないで留年しろ」などのちくちく言葉をかけてくるカスみたいな輩もいるので,今後誰と長くお付き合いしていきたいかを考えるよい判断材料になるでしょう。

見積もった時間を基に提出締め切りから逆算した時間~そこから1時間程度

さあ,現実と向き合う時がやってきました。泣こうが喚こうが,これからそう遠くない未来にやってくる締め切りにレポート作成が間に合わなければ留年に大きく近づくこととなります。その事実の重みを感じながら,レポートを書き始めましょう。実験中~実験直後に頑張っていれば,ある程度はつまることなく進めることができるはずです。

1時間経過~5時間経過

経験で言うと,この辺りはさっきまでのペースが嘘であると思うくらいにマジでダレます。YouTubeを見たり,Twitterを無駄に眺めたり,布団に入ってじっとしたりすることが多いです。やらなきゃいけないのになぜか先延ばしにするという,何の生産性もない時間になります。

5時間経過~締め切り2時間半前

ここら辺から,「あれ,このままだとヤバくね???」ということに気が付きます。やっと本格的に手を動かし始める時間ですが,実験レポート作成というのは1週間(これも学科によって違うかも)も時間が設けられている課題ですから,数時間考えた程度では太刀打ちできません。何を書けばいいのかよくわからないまま時間がどんどん過ぎていきます。

締め切り2時間半前~締め切り

「このままでは留年しちゃう,でもなに書けばいいかわからない!どうしようどうしようどうしよう!」という考えで頭がいっぱいという極限状態に陥り,脳みそが覚醒します。すべてのわからなかったことがわかり,森羅万象を解き明かすことが出来るのもこの時間です。これまでわからないなりにもある程度時間をかけていれば,バラバラだった知識が点と点を結ぶようにつながり,問われていることに対する答えを頭の中で高速に,そして論理的に構築することができるはずです。

またこのあたりになると,残り工程それぞれにかかる時間をかなり正確に見積もることが出来ているはずですが,たまに見積時間と進捗がずれてしまうことがあります。しかし今は締め切り直前,ちゃんと後ろの方でリカバリーできるので,あきらめずに突き進みましょう。完全な持論ですが,締め切りまでの時間を \displaystyle tとおくと,その時に出せるパフォーマンスは \displaystyle \frac{1}{t}だと思っています。(これだと, \displaystyle \lbrack 0, 任意の開始時間 t_{start} \rbrack積分した時に正の無限大に発散してしまい締め切り前ならいつから始めても終わることになってしまいますが…)

締め切り~締め切り終了後

お疲れさまでした。いったんここで一区切りです。このあと授業がなければ,仮眠をとってもよいでしょう。不運にも授業があるならば,睡眠と同時並行で授業をうける「睡眠学習」によって代替できます。演習(学科によって(ry もわすれないようにしてください。演習問題は労力に見合わず実験レポートと同程度の配点を占めるらしいのでここも入念にやりましょう。

タイム短縮のコツ

自分に合ったチャートを練ろう

チャートとは,「レポート完成までにどの項目をどの順番で書き上げるか」のことです。例として僕は背景,方法,結果,考察,結論,参考文献,課題の7項目(学科 (ry があるときは以下のチャートを組んでいます。

考察をチラ見→方法→結果→考察→課題→背景→結論→参考文献

いきなり考察を見るのは,今自分が解くべき問題が何であるかを明確にするためです。その後方法や結果を書いている途中で問題に対する答えのアプローチが浮かぶことも多いです。

また,背景を後半に持ってくるのは,結果を整理して考察を行ってからの方がある程度この実験で何をしていたのかがわかって書きやすいからです。実験レポートで一番最初に章立てされているからと言って,自分で考えて実験しようと思ってやっているわけでもない学生実験においてこれを最初に書くのはなかなか難しいんじゃないかと思っています。

もちろんチャートは自分好みに考えて組んだ方がいいと思うし,僕もまだ模索中です。

数式を書く際はtex表記で

皆さんはwordで数式を入力する時どうやってやっていますか?なんかテンプレ―トみたいなやつ(ロ/ロみたいな)を使ってもいいですが,tex(てふ)表記というのが便利です。例えば分数 \displaystyle \frac{y}{x}は\frac{y}{x}と入力すればマウスとキーボードを行ったり来たりすることなくキーボード上だけで完結することが出来ます。キーボードとマウス間を往復する動きってめんどうだし,かなりのタイムロスなんですよね。これが出来るようになると,数式入力の時のストレスがぐっと軽減されると思います。入力したい数式の打ち方がわからない場合は「tex 積分」などで調べるといっぱい出てくるのでそれらを参考にしながら入力してみましょう。

頻繁に使う「打つのが面倒くさい言葉」はソフトの力を借りよう

実験レポートでは同じ単語がいっぱい出てくることが良くあります。でもそのたんびに「ヘキサシアニド鉄(III)カリウム」とかって打ってたら疲れちゃいますよね。そこでクリップボード(Ctrl + Cで保存したものを保持しておくところ)の履歴を保存してくれるソフトを用いて,いくつかのよく使う単語を素早く打てるようにしています。このソフトがべんりで,おすすめです。

Clibor | クリップボード履歴ソフト「Clibor」の公式サイト

ショートカットキーをいっぱい使おう

ショートカットキーは神です。Ctrl + C,Ctrl + Vでコピー&ペーストをはじめとしたショートカットキーはかゆい所に手が届く非常に便利な機能です。参考までにあんまり知られてないかもだけど僕が便利だと思っているショートカットキーを紹介しておきます。

Excelで Ctrl + Shift + 方向キー  データがある範囲の末尾まで選択

Wordで Alt + Shift + -キー(伸ばし棒ですね) 数式を入力するところを出す

Wordで Ctrl + E,R,L  選択している行を中央揃え/右揃え/左揃えにする

ウィンドウを選択した状態で Windowsキー + 方向キー  ウィンドウを画面の片側に寄せます 何かを見ながら作業をしたいときにべんり

僕もまだ大して使いこなせていませんが,知れば知るほど操作が減って楽になるとおもいます。

キー入力をカスタマイズしちゃおう

Backspaceキーとかってホームポジション(キーボードの手がおかれている位置)から遠くないですか???なのでキー入力を自分好みに改造できるソフトを導入しています。

【AutoHotkey】キーに別の機能(キー)を割り当てるソフトの使い方 | ナポリタン寿司のPC日記

なれるまでに結構な時間がかかるので実験レポートRTA直前に使い始めるのはおすすめしませんが,慣れればこれ以上ないまでに快適です。僕は「無変換キー + O」でBackspace,「無変換キー + J, I, ",", L」で方向キー←↑↓→を入力できるようにしています。ただし,先ほども言いましたが慣れるまでの間は逆に少し効率が下がってしまうので,注意が必要です。

実験レポートRTAのいいところ

実験レポートがエンターテインメントと化す

本来実験レポートは苦痛なものですが,RTAという競技性を持たせることでそれを中和することができます。他にも,LiveSplitというゲームのRTAなどの時間計測に使われるソフトを導入して士気を挙げたり,テーマをあらかた把握しておき,これからなにをするのかが一目でわかるサムネイルを制作して注目を浴びたりするなどして少しでも楽しくできるような工夫をしたりしていました。

時間計測ソフトのスクショ。お気に入りのフォントや背景でモチベアップ

実際に作ったサムネイル。時間がかかって大変でしたが,なかなか楽しいです。
面倒な実験レポートに多くの時間を割かずにすむ

かけている時間が実質1日以下なので,効率が良いです。

実験レポートRTAのわるいところ

身体・精神共に負担が大きい

12時間近くPCに向き合いっぱなしなので,体が大変なことになります。定期的に椅子から立ち上がって体をほぐすなどしてメンテナンスを怠らないようにしましょう。腰が死にます。

他にも,なにもわからないのに時間だけがすぎていったり,眠いのに眠れないという状況は結構メンタルにくるものがあります。この記事を読んでいる方の中には間に合わなければ留年に王手という極限状態がこわくてできないよという方もいるでしょう。初めのうちは,締め切り3日前から着手し始めるなどして少しづつ慣らしていき,その後開始時間を遅らせていくというのがよいでしょう。

他の人に頼ることが多い

周りのみんなより始めるのが遅いので,助けてもらう側に回りがちです。他の授業の課題でたくさん活躍したり,自分がわかっていることを積極的に教えたりしましょう。それもかなわない場合は,必ず感謝の言葉だけでも忘れないようにしましょう。いくら伝えても伝えすぎということはありません。いっぱい感謝しましょう。

ギリギリから始める癖がついてしまう

1度間に合うか間に合わないかの瀬戸際から初めて間に合ってしまうと,下手に成功体験として脳に焼き付いてしまい,報酬系(うれしいを感じる脳みその部分)が破壊されてしまいます。その結果何が起こるかというと,実験レポートに限らず多くの課題をギリギリから始めて,(不運にも)間に合ってしまい再び成功体験として脳に刻まれるという負のサイクルが形成されてしまいます。ろくでもないですね。

まとめ

やらないほうがいいです。